初心者の為のナイフの研ぎ方の話

「Caramel Candy Camper」のHagarie

2018年09月29日 16:00


~ ナイフの形状と研ぎ方について ~~


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※本記事はフラットグラインドの記述に誤りがあった為2019年6月11日に訂正を行なっています。
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前回「初心者の為のナイフの話」という事でナイフについて記事を書いたのですが、ナイフって結局切れ味が大切ですからね、その切れ味を維持するには研がないといけない、という事で今回は研ぎについて記事にしたいと思います。
(関連記事:初心者の為のナイフの話)

あ、あと最初に言い訳しておきますが私はなんだかんだ言ってキャンプ初心者ですからね、さらにナイフに至っては知識殆どありませんでしたからね。今まで本とかWEBで勉強した謂わば"付け焼刃"(ナイフ記事だけに)で記事にしてますから内容も浅いし間違いもあるかもしれません、その時はコメント欄でフォローください。


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★ナイフを研がずに使い続けると?

 ナイフに限らず家庭用の包丁なんかでもそうですが、刃物を研がずにずっと使い続けるとどうなるかと言えばご存知の通り、全然切れなくなりますよね。

その理由は刃の先端が目に見えないレベルで丸まったり、傷ついたり、刃先が潰れたり、刃こぼれを起こすからです。


逆に切れるナイフは刃先が鋭利です。

つまり「研ぐ」という行為はこの丸まった刃先を鋭利にする事です。

★ナイフの刃にはそれぞれ形状がある

 研ぎの話をする前にまずナイフの刃の断面形状(グラインド)の話をします。大体のナイフの刃の形状は下図の4種類に分けられます。

そして、これらのグラインドは対象に直接切れ目を入れる小刃(セカンダリベベル)と、切断面を押し広げる刃部(プライマリベベル)に分けられます。

 この他にも小刃(セカンダリーベベル)無しのホローグラインドや、スカンジグラインドもあります。それらは切れ味は素晴らしいものの刃先の耐久性が低くなり、結果として極端に刃持ちが悪くなっています。

つまり小刃(セカンダリベベル)には刃先の保護をする意味があるのです。その小刃(セカンダリーベベル)を保護する目的で刃先にさらに小さな糸刃(マイクロベベル)を付ける場合もあります。


ホローグラインド


 ホローグラインドはブレードの側面が凹状になったグラインドの事で、くびれたブレードのおかげで切断面を切り広げづらくシャープな切り口になります。研ぎ減ってもブレードが薄いまま持続するので小刃のみを研ぎ続けても切り心地が変わりません。

 後述するスカンジグラインドに比べ少し強度は劣るといわれバドニング等の刃に負担のある使い方には適しませんが、ミリタリーナイフやサバイバルナイフでは多くがこのホローグラインドを採用している事からブッシュクラフトで使う人も比較的良く目にします。

耐久性には疑問がありますが木に打ち込んだ場合は木との接触面も少なく割り易いのも事実で、それがブッシュクラフトで使う人が後を経たない理由のひとつかもしれませんね。

スカンジグラインド


 スカンジグラインドはブレード幅の1/2~1/3程度からストレートの刃部(プライマリーベベル)になっているグラインドの事で、上述したホローグラインドとは違い、研ぎ減った場合、ブレードの厚みが厚くなってしまう為、切り心地は悪くなってしまうと言われています。しかし刃部(プライマリーベベル)が幅広なストレートなので砥石に当てる角度が分かり易く、非常に研ぎ易い形状ですので修復は容易です。

木に打ち込んだ場合、抵抗は大きいものの、刃が厚く耐久性もある為、ナイフの背(スパイン)をガンガン叩けますので比較的簡単に薪を割る事が出来ます。


フラットグラインド


 フラットグラインドは、上述したスカンジグラインドと刃体角の大小の違いがあるだけで、本質的には(側面の凹・平・凸という点で)同種となります。

フラットな見た目美しいものの、モーラナイフ等の一般的なスカンジグラインドのナイフ同等の刃の角度にすると重量的なデメリットがある為、ナイフによっては刃の角度を絞り薄くしたモデルが多く見られます。中には先端のみがフラットグラインドでその他の部位はスカンジグラインドという様なデザインのものも見られます。

バドニングに関してはスカンジグラインドと刃の角度が変わらなければバドニングに関しても一緒ですが、刃が薄いモデルでは、齧りつき易く、一度齧ってしまうと打ち込む事も、抜く事も難しくなってしまいます。さらに鋼材の質が低いモデルでは、ナイフの背(スパイン)を叩くと破損する恐れもあり注意が必要です。


コンベックス



 コンベックスグラインドはハマグリ刃とも呼ばれ、上述したホローグラインドとは逆にブレード側面が凸状に膨らんだ形状です。この形状の為、切れ味自体はあまり優れませんが、刃の厚みがある為、切り開く力が掛かりやすく、そして耐久性も高くなりますのでナイフを酷使しても切れ味が落ちづらく、その為、薪を割るバドニング等のブレードに負担の掛かる作業に向いています。


 また研ぐ時に角度を一定に保てずコンベックスグラインドっぽくなる時がありますが、それは「しゃくり刃」と言ってコンベックスグラインドと似て否なるもので、只の切れ味の悪くなったものです。簡単なように見えてコンベックスグラインド研ぐ難易度が意外と高いんです。

★研いでみよう

研ぎについて説明します。

研ぎにも種類があり、日常的な研ぎと修復的な研ぎがあり、日常的な研ぎでは小刃を研ぐだけで切れ味は復活します。しかし小刃だけを研ぎ続けているとブレードの厚みが厚くなっていき切れ味が悪くなってしまいます。数回に一回くらいは刃部も研ぎましょう。

砥石を用意しよう


 砥石にも色々ありますが包丁と違ってトマトや固定していない新聞紙を綺麗に切るわけじゃないので#1000と#3000くらいのセラミック砥石があれば問題ないと思います。コンビネーション砥石と言って表面が#1000、裏面が#3000という2つの粒度で1枚なっている砥石もあるのでオススメです。


※後述しますが本当の研ぎ初心者はこれを買わないほうが良い
 


さらに仕上げ用に革研ぎなんてものもあります(写真の右側の棒のやつ)、これを使うとピカピカに出来ますし革に沈み込みながら研がれるので刃先に小さなコンベックス形状が出来、刃の持ちが良くなるとも言われています。

また傷や修正用に#300~500程度の粒度の砥石も用意すると便利かも知れません。

*****

では早速研ぎ方の説明をします。

1,砥石を水に浸す

 多くの場合、水砥石を使うと思いますが水砥石の場合は使用前に10~30分間水に浸しておきます。油砥石であれば灯油か、もしくは機械油やCRCなんかでも構いませんので良く染みこませておいてください。

2,角度に気をつけ研ぐ

 「研ぎ」において最も重要になるのは砥石と刃の接触角度です。これを一定に保て無いと前述した「しゃくり刃」になってしまい切れ味は逆に悪くなってしまいます。また研ぐ時は押す力を強く、引く力を弱くが基本です。

角度を意識しながら先端から研いでいきます。ナイフのZ軸上の角度は45度です。


3,反対面を研ぐ

 一定角度で10~20回程度研ぐと反対面に「返りバリ(刃返り)」と呼ばれる非常に小さいバリが出てきます、これが出れば研げた証拠と言えます。

※ステンレス鋼の刃だともっと時間が掛かります。


「刃返り」が出てきたら反対面を研ぎ、そのバリを除去しつつ同様に研いで終了です。

4,水気を取り防錆する

 ステンレス鋼のナイフならともかく、炭素鋼のナイフなら水気を取らないとすぐに錆びてしまいます。研ぎ後は水気を良く取り、油やシリコンコーティング等をして防錆処置を行なってください。

写真のブルーマジックのメタルポリッシュクリームは研磨剤なんですがコンパウンドが入っていないので仕上げで使うと刃を落とさず良い感じです、さらにこれを使うとシリコンコーティングされるので防錆にも役立ちます。一石二鳥ですね。めちゃめちゃアンモニア臭いけど。

★研ぎは経験が必要

 結局のところ「研ぎ」に関しては経験を積まないと上手くなりません。特にステンレス鋼のナイフは角度を一定にしながら長い間研がないとなりません。正直これは初心者には難しいと思います。



でも安心してください。

このBlogは初心者ソロキャンパーの為のBlogですから、そんな経験を積まないと出来ない事を紹介しても意味無いんですよ。

実は私もステンレスのナイフは砥石じゃ研げませんし。

★ナイフシャープナーという選択肢

 家庭で使う包丁は砥石で研ぐ人よりナイフシャープナーで研ぐ人の方が多いんじゃないでしょうか。という事でシャープナーの紹介です。

 インターネットでナイフ研ぎでシャープナーを使ったレビューページを読むと、
「簡単だから初心者にはオススメだよ~」
とかポジティブなページもありますが

「シャープナーだと刃持ちが悪い」
「あれは擦っているだけで切れるようにはなら無い」
「シャープナーは刃先をギザギザにし喰い付きを良くしているだけ」
「性格ブスがシャープナーを使う」

などと酷評なレビューが多く見受けられます。

なんか良く分からなかったので、実際ナイフをシャープナーで研いでみました。

今回使用したのはランスキーのシャープナーです。


実際シャープナーを利用して分かったのは、

・砥石程では無いがまぁまぁ切れるようになる。
 切れ味が完全復活とは全く言えませんが、キャンプで使うナイフとしては必要十分の切れ味は確保されました。

・刃先はギザギザになっていない。
 「喰い付きを良くするため刃先をギザギザにしている」と多くのレビューを見ましたが10倍のルーペで見ても、自身の爪で確認しても意識して分かるレベルではギザギザはしていませんでした。

・小刃の割りに勾配がキツイ。
 小刃が付くものの勾配が厳しく、刃の耐久性的に心配です。上のシャープナーの写真でいう右上の部分のセラミック砥石の部分で糸刃(マイクロベベル)を付ける事で耐久性を補う必要がありそうです。

・この作業に面白くない。
 苦労が全く無いので楽しくない。何を目的として研いでいるかにより考え方は変わると思いますが、ここにロマンはありません。




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