初心者の為のクッカー選び

今回はクッカーのお話し。コッヘルなんて呼び方もしますね。
簡単に言うと携帯用小型調理器具全般の総称ですね。
私も一時クッカー沼にハマっていました。
もちろん沼と言っても本当の沼じゃなくて、買っても買ってもしっくり来なくて泥沼化する事です。アウトドア、特にキャンプではこの「沼」という表現を聞きますね。それだけギアに対して思い入れのある趣味なのかも知れません。
そんな話しは置いておいてクッカーの話しですね。
クッカーの役割・目的

冒頭で伝えた通り、携帯用小型調理器具です、調理を目的としていますので、熱の回りが早く、焦げ付かず、安全で、サビや劣化などの心配が無く、洗浄が楽で手間が掛からず、さらに携帯用ですので重さやパッキング性、スタッキング性も大切な要素になってきます。
形状の話し
調理器具なんて日常的に見るので、鍋とかフライパンの紹介はあえてしませんが、アウトドアならではのものを紹介します。いやでも、普段料理をしない私が見ないだけで、これから紹介する道具、実は世間では日用品なのかもしれませんが、そこは許してください。
スキレット

スキレットとは鋳鉄製のフライパンのこと。 本体の厚さと素材のため、温度がゆっくり均等に伝わる。 同じ大きさのフライパンに比べると重く、テフロンコーティングなどは施されていない。 鉄そのものの特性を生かして作られている。(引用元:Wikipedia)
フライパンより分厚く出来てて、均一に熱が回るので焦げ付き難くいです。あと遠赤外線も出るのか、中まで火が通り易いですね。また、そのまま食器として使えば肉厚な分、冷め難く、料理も熱々のままが続きますね。スキレットは鋳鉄製なのでシーズニングと言って、油を塗って加熱して、って作業を10回くらい繰り返す事が必要です。シーズニング中に生姜を炒めると鉄臭さが飛ぶらしいです。あとシーズニングは凄く煙が出るから屋外でやった方が良いです。焚火でやるのもロマンですね。
ダッチオーブン

分厚い金属製の蓋つき鍋のうち、蓋に炭火を載せられるようにしたものの名称である。アメリカ合衆国の西部開拓時代などで使用されていたものが有名であるが、近年ではキャンプなどレジャーでの用途に使われることが多い(引用元:Wikipedia)
肉厚なのでスキレット同様に焦げ付き難く、冷め難く、蓋が重いからか圧力鍋っぽい効果もあるそうです。あと蓋に火の付いた炭を乗せてオーブンとして利用可能です。最近はステンレス製のものも出てきましたが多くは鋳鉄製です。そういったものはスキレットと同様にシーズニングが必要です。
シエラカップ(シェラカップ)

シエラカップは、金属製のカップの一種である。登山などアウトドアの場において、簡便な炊事具や食器として愛用されている。(引用元:Wikipedia)
アメリカ合衆国に本部を置く自然保護団のシエラクラブが作ったカップがシエラカップです。これは万能器具です。実際使うまで便利さに気付けませんが使ってみると、本当に便利。コップにも、軽量カップにも、小皿にも、小さいですが鍋にも、スープを掬うオタマにもなります。その万能さの為、使用者が多くシェラカップ料理なんてジャンルが確立されるくらいです。シエラカップの亜種で、より大きいロッキーカップなんてのもあり、私はそっちの方が便利に思います。
(ロッキーカップの名前の由来は、やはりシエラカップをシエラネバダ山脈に例え、それより大きなロッキー山脈から取って、ロッキーカップなんだろうか。分からないけど、これを読んだ人はこの説を広めてくれ。)
材質による違い
鉄
重く、錆び易く、携行性もメンテナンス性も低いですが、蓄熱性が高く、余熱調理も出来ます。熱伝導性もアルミほどではありませんが高いです。耐熱性も優れ、焚火やバーナーでガンガン熱しても変形を起こしません。きちんとメンテナンスさえすれば強固な黒錆び(四酸化三鉄皮膜)で守られます。ですが、やはりそれでも、錆びの恐れがあるので初心者向けとは言いがたいですね。
ステンレス
鉄に一割以上クロムを添加すると、空気中の酸素と結び付き不動態皮膜が形成され、錆びない鉄、いわゆるステンレス合金が出来上がります。重いですが、鉄最大のデメリットの「錆び」を克服した事により非常に使い易いですが、それと引き換えに熱伝導性も失われており、鉄の(合金の種類によりますが)半分から4分の1程度になっています。焦げやすいので鉄とは正反対に焼いたり、炒めたりが苦手な材質です。
アルミニウム
アルミニウムは鉄やステンレスの3分の1程の重さで、錆び難くいという、携行性もメンテナンス性も優れた特徴を持ち、伝熱性も鉄の4倍程あるという理想の材料です。この伝熱性が高い事を生かし、食材に素早く、ムラなく熱を伝えることが出来るので、ご飯の炊飯には昔から使われていますね。強度に関しても合金技術進歩のおかげか、昔に比べ非常に強くなり安心ですが、融点が低く(合金の種類によりますが)200℃前後で強度が半分程度に落ち、640℃そこそこで解け始めてしまいます。ですので焚火調理では(良く見かけますが)使用するべきではありません。
チタニウム
チタンニウムは鉄よりも軽く、アルミより重いです(意外かもしれませんが比重ではアルミの1.5倍くらいです)、しかし強度が非常に高く、ややっこしいですが同じ強度ならチタンの方がアルミよりも軽いです。ですのでチタン製のギアが一番軽くなります。また、チタニウムの表面皮膜は非常に強固で、海水でも錆びませんし、イオン化しないので鉄やステンレス、アルミの様に食べ物の味を変えません。
しかし熱伝導性が絶望的に低く、熱ムラが出来易く、焦げ付き易いです。ATS加工と言ってクッカーの底に熱伝導性が高い酸化アルミ膜を固着させたモデルもありますが、それでもステンレス並みです。炊飯も通常の方法では出来ません。逆にその熱が伝わり難い性質を生かしマグカップに使うと、持ち手等が熱くなりづらく便利です。
熱伝導性が低い為、お湯を温めるのも時間が掛かりそうですが、ややっこしい事に比熱は鉄並みで、さらに強度を生かし軽くする為、薄く作られたモデルが多いので、熱伝導率は低いのにも関わらず、むしろ温めが早い印象です。
また、チタニウムは融点が鉄以上に高く、空焚きしても変形を起こしづらいです。逆に、火で炙ると青っぽく変色するので好きな人は好んで空焚きさせますね(やり過ぎると黒く変色するので注意)
オススメのクッカーは?
焚火調理しない事を前提に言うとフッ素加工されたアルミの鍋とフライパン、マグカップ代わりに直火で温められるチタンのロッキーカップがオススメです。
具体的には
「PRIMUSのイージークック・ソロセットM」と
「Belmontのチタンシェラカップ深型480フォールドハンドル」
をオススメします。
鍋類やフライパンは、やはりフッ素加工の製品が良いですね。キャンプ場では家ほど快適に洗える環境がある訳では無いので、汚れが付きにくいというのは最高にメリットです。このイージークックは秀でた性能はありませんが、全てにおいて平均的に優等生なギアです。値段も安く非常にオススメです。
またベルモントのロッキーカップ(メーカーはシエラと謳っていますが、どう見てもロッキー)は容量が丁度良く、持ち手が折り畳めて便利です、もし気に入ったのならベルモンテが出しているサイズ違いのロッキーカップを買うと綺麗にスタッキング出来て良いかも知れません。
以上で初心者の為のクッカー選びを終わりにします。
しかし、まだキャンプを本格的に始めるか分からないという人も居るかと思います。
そういった場合は、家から普通の鍋やフライパン、マグカップ等を持っていくのも
大いに有りだと思います。
慣れているものの方が多分料理もすんなりと上手くいく事でしょう。
キャンプはお金を掛ければ良いだけの趣味ではありません。
創意工夫で乗り越えるのも面白さです。
宜しくお願いします。
初心者の為のバーナー選び
広告